相続について

さまざまな手続

ここでは、「相続に関わる手続き」をご紹介します。

相続には、様々な問題が発生しますので、

しっかり理解していただきたいと思います。

 生命保険の受け取り

生命保険金については、
その受取人がどのように指定されているのか」で
分けて考える必要があります。

以下のケースを参考にしてください。 

■ケース(1)

 相続人以外の特定の者が保険金の受取人として指定されているケース 

→保険金は、受取人の固有の権利として取得するため、相続財産には含まれません。

■ケース(2)

 保険金の受取人が相続人の誰かとして指定されているケース

→被相続人が「相続人の誰か」を受取人に指定していた場合、
 生命保険金請求権は、受取人に指定された者の固有の権利となるため
 相続財産に含まれません。

※但し、受取額が高額になる場合に限り、特別受益の扱いになる可能性もあります。

■ケース(3)

 保険金の受取人が被相続人(死亡)自身とされているケース

→自分自身を受取人として契約していた場合、
 被相続人の死亡により、相続人は保険金請求権を取得することができます。

 この保険金請求権は被相続人の相続財産に含まれ、相続人が他の相続財産として
 合わせて相続します。

生命保険金を請求する際に必要な書類

生命保険金を請求する際に必要な書類としては、以下のものが挙げられます。
(必要書類一覧のページもご参考下さい。)

  • 保険金請求書(保険会社所定の物)
  • 保険証券・死亡診断書(死体検案書)
  • 被相続人の住民票及び戸籍謄本
  • 保険金受取人の印鑑証明書
  • 災害事故証明書、交通事故証明書(死亡原因が災害・事故による場合)

※各保険会社によって、必要書類が異なる場合がありますので、
 事前に確認しておきましょう。

 預貯金の名義変更手続き

よく知られていることですが、被相続人名義の預貯金は、
金融機関が被相続人の死亡を確認した時点から、預金口座が凍結されます

これは、一部の相続人が、許可なく預金を引き出すことを防止するためです

このように凍結された預貯金の払い戻しができるようにするための手続きは、
遺産分割が行われる前か、行われた後かによって手続きが異なります。

(※それぞれの金融機関に対して、事前に確認することが必要となります。)

遺産分割協議前の場合

遺産分割前の場合には、以下の書類を金融機関に提出することになります。

  •  金融機関所定の払い戻し請求書
  •  相続人全員の印鑑証明書
  •  被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までのものすべて)
  •  各相続人の現在の戸籍謄本
  •  被相続人の預金通帳と届出印

※金融機関によっては用意する書類が異なる場合もがありますので、
 どのような書類が必要になるのか、直接問い合わせてみましょう。

遺産分割協議後の場合

「遺産分割をどのように済ませたか」により、手続きは異なってきますので
事前にしっかり押さえておきましょう。

1)「遺産分割協議に基づく場合」、以下の書類を金融機関に提出することになります

 ●金融機関所定の払い戻し請求書

 ●相続人全員の印鑑証明書

 ●被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までのものすべて)

 ●各相続人の現在の戸籍謄本

 ●被相続人の預金通帳と届出印

 ●遺産分割協議書(相続人全員が実印で押印)

2)「調停・審判に基づく場合」、以下の書類を金融機関に提出することになります

 ●金融機関所定の払い戻し請求書

 ●家庭裁判所の調停調書謄本または審判書謄本

  (いずれも家庭裁判所で発行を受けることができます)

 ●預金を相続した人の戸籍謄本と印鑑証明書

 ●被相続人の預金通帳と届出印

3)「遺言書に基づく場合」、以下の書類を金融機関に提出することになります

 ●金融機関所定の払い戻し請求書

 ●遺言書

 ●被相続人の除籍謄本(最後の本籍である市区町村役場で取得できます)

 ●遺言によって財産をもらう人の印鑑証明書

 ●被相続人の預金通帳と届出印

 株式の名義変更手続き

相続人が相続する財産の中に株式がある場合、
不動産の名義変更と同じように、「名義を変更する」必要があります

株式の名義変更は、被相続人名義の株式が
●上場している株式
●非上場の株式
どちらなのかによって手続きが異なります。

上場株式の名義変更の手続き

上場している株式は、証券取引所を通じて取引されていますので、
証券会社が介入しています。

したがって、証券会社相続する株式を発行している株式会社の両方で
手続きをすることになります。 

(1)証券会社との手続

証券会社は、顧客ごとに取引口座を開設していますので、
取引口座の名義変更手続きを行うことになります。

その際必要となる書類には、以下のようなものがあります。

  •  株式名義書換請求書
  •  取引口座引き継ぎの念書(証券会社所定の用紙)
  •  相続人全員の同意書(証券会社所定の用紙)
  •  相続人全員の印鑑証明書
  •  被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで連続するもの)
  •  相続人の戸籍謄本
  •  遺産分割協議書

これらの書類を証券会社に提出することによって、
「上場株式の名義変更」を完了させることができます。

(2)株式を発行している株式会社との手続

株式を発行した株式会社株主名簿の名義変更手続きをすることになります。

通常、この手続きに関しては、取引のある証券会社が代行して手配してくれます。

その際、相続人は「相続人全員の同意書」を用意します。
(※名義書換を代行している信託銀行の所定の用紙となります)

非上場株式の名義変更手続き

非上場会社の株式の名義変更は、各会社ごとに行う手続きが異なります。

したがって、発行した株式会社に直接問い合わせるのが確実です。

 遺族年金の受給

遺族年金とは、遺族にとって大切な生活の資金です。

どれだけ支給されるかを把握し、受給忘れのないようにしましょう。

遺族年金には、以下の3種類があります。

(1)遺族基礎年金(国民年金に相当)

(2)遺族厚生年金(厚生年金に相当)

(3)遺族共済年金(共済年金に相当)

遺族年金は、大きく分けると、
「年金形態」によって支給されるものが異なってきます。

(1)国民年金から支給される遺族基礎年金

(2)厚生年金から支給される遺族厚生年金

(3)共済年金から支給される遺族共済年金

死亡者 対象の方 給付種類
自営業 18歳未満の子のある妻 遺族基礎年金
子のない妻

死亡一時金 または 寡婦年金

サラリーマン

18歳未満の子のある妻

遺族基礎年金・遺族厚生年金
子のない妻(40歳未満) 遺族厚生年金
子のない妻(40~65歳) 遺族厚生年金・中高年齢寡婦加算
公務員 18歳未満の子のある妻 遺族基礎年金・遺族共済年金
子のない妻(40歳未満) 遺族共済年金
子のない妻(40~65歳) 遺族共済年金・中高年齢寡婦加算

(1)遺族基礎年金

受給要件

遺族基礎年金の受給要件としましては、
以下の条件を満たしていることが必須となります。

●被保険者または老齢基礎年金の資格期間を満たした者が死亡した場合。
 (※ただし、死亡した者について、
  保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が取加入期間の3分の2以上あること。)

対象者

死亡した者によって生計を維持されていた者・子のある妻・
さらに、子供が以下の条件に当てはまる場合に支給されます。

●18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子

●20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子

支給額

●子供がいないケース 792,100円

●子供が一人のケース 1020,000円

●子供が二人のケース 1247,900円

●子供が三人のケース 1323,800円

●これ以上は子供一人につき、75,900円が支給されます。

(2)遺族厚生年金

受給要件

遺族厚生年金の受給要件としましては、
以下の条件を満たしていることが必須となります。

 ●被保険者が死亡した場合、もしくは、
 被保険者期間中の怪我や病気が原因で初診日から数えて5年以内になくなられた場合。

 (※ただし、遺族基礎年金と同じように死亡した者について、
   保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上
   ある必要があります。)

●老齢厚生年金の資格期間を満たした方が亡くなられた場合

●1級・2級の障害厚生年金を受けられる者が亡くなられた場合

対象者

遺族厚生年金の受給要件としましては、
以下の条件を満たしていることが必須となります。

●遺族基礎年金の支給の対象となる遺族(子のある妻・子)

●子供のいない妻

●55歳以上の夫、父母、祖父母(60歳から受給)

●孫(18歳の誕生日の属する年度の年度末を経過していない者、
   20歳未満で1・2級の障害者)

支給額

  平成15年3月までのボーナスを入れない平均月収
    ×7.1251,000×平成15年3月までの働いた月数

      

  平成15年4月から現在までのボーナスを入れて総額を月数で割った金額
    ×5.4811,000×平成15年4月から現在までの働いた月数

 →さらに、この合計に3/4を乗じた額が支給額になります。

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